地中海放浪記② ーチヴィタで街に閉じ込められるー
前回:
前回の続き
ローマ初の食事では、ウエイターさんにおすすめを教えてもらい、カプレーゼとカルボナーラを注文しました。カプレーゼは、「カプリ島の」という意味だそうで、トマト、モッツァレラ、バジルで色合い的にはイタリアの国旗。ちなみに、カプリチョーザはカプリ島とは関係ないみたい。
カルボナーラのパスタを下さいと注文したところ、スパゲッティではなく、リガトーニのカルボナーラが出てきました。パスタ表面に筋があることで、濃厚なソースがよく絡んで非常にボーノな一方で1つ1つが小さいので食べ応えとしてはスパゲッティの方が良いかもなという印象。カプレーゼの方は、水牛のモッツァレラとバルサミコ酢の相性が抜群で、イタリア料理の完成度の高さを体感。
気になるお値段は30ユーロ。高くはないけど、日本円に換算すると高いね。
さて、放浪記②で早くも時系列を無視することに。今日の本題は8月初旬に行ったオルヴィエート&チヴィタ・ディ・バーニョレージョへの日帰り旅行のお話。
オルヴィエートは、世界一美しいとも言われる丘の上にある都市で、中世時代の街並みが残っており、写真映えするスポットで溢れています。さらに、オルヴィエートが属するウンブリア地方はトリュフの産地だったり、革で有名なトスカーナ地方にも近いことから、美食の探求やショッピングにも最適。
当日朝はあいにく雨だったものの、観光客でごった返すローマやフィレンツェでは味わえないスローイタリアを楽しむことができました。ティヴォリやシエナのような街も同様におすすめ。
先述の通り、ここはトリュフが有名なので、昼食には芋のペーストを丸めたものにフレッシュトリュフをトッピングした料理をいただきました。フレッシュということで、目の前でトリュフを削ってくれるパフォーマンス付き。絶品でした。
さて、昼食も済ませたのでバスで1時間ほどかけてチヴィタ・ディ・バーニョレージョに向かいました。道中、バスがラウンドアバウトの円に乗り上げたり、でこぼこ道で誰かのかぼちゃがバス内をゴロゴロ転がったりしながらもなんとか目的地のバーニョレージョに到着。20分ほど歩いてチヴィタ・ディ・バーニョレージョに向かいます。
ついにチヴィタ・ディ・バーニョレージョに到着。ローマの家からは移動だけでも4時間以上かかりました。凝灰岩質の崖の上にあるこの町は、死にゆく町という異名をもっているようで、実際そんな感じでした。
入村料を払って橋を登ります。非常に美しい。
圧倒的な絶景に満足し、帰路に。バスが来るまで時間があるので、軽くピザとビールを頂く。乗る予定のバスは19時過ぎの最終バスということでレストランはまだ準備中でした。
小腹も満たして、あとは色々乗り継いでローマに帰るだけ。とバスを待っていたらいつまで経ってもバスは来ません。1時間待ってもバスは来ませんでした。グーグルマップやバス会社のアプリを見てみると、バスは定刻通りに出発していることになっていました。イタリアの場合、デフォルトで遅延しているので定刻通りになっているということは、残念ながら運休を意味します。最終バスはありません。運休です。
え、、、、
突然、イタリアのド田舎に閉じ込められることに。まあ中世に公共交通機関はないもんんね。もちろん、田舎なのでタクシーもないです。Uberも使えません。
ということで急遽、近くのホテルに突撃することに。と、ここで問題が。日帰りの予定だったのでパスポートを持ち歩いておらず、身分が証明できないことが発覚。英語が話せないフロントのおばさんになんとか事情を説明して、日本語しか書いてない、住所も書いてない学生証を身分証の代わりとしてくれました。どんなときもパスポートは携帯しておきましょう。
部屋案内のときに、なぜかカギを交換しに戻ったので不思議に思っていると、どうやらチヴィタが見える部屋にしてくれたみたいで、ホスピタリティを感じました。ティアモ。
翌日、地形的に雲海とかできそうだし、せっかくなので早起きして朝焼けを見に行くことに。道中、地元住民と遭遇するとみんな挨拶してくれました。嬉しい。
普段からポジティブなので、急な出費でも話のネタ代と思うようにしていたものの、朝のチヴィタは普通に息を呑むほどの美しさでした。前日の昼、夜とチヴィタの全ての顔を見ることができたのはかなりの贅沢だと思います。
早朝は、入村料を徴収する人がいないので、勝手に入ることができました。早朝で宿泊客以外ほぼ誰もおらず、美しい街を独り占め。
朝食を済ませ、帰路のバスを探す。問題は日曜日であるということ。イタリアは日曜日に運行されるバスはほとんどなく、例によって運休情報も提供されません。念のため、バス会社のアプリの時刻表を信じてバスを待つも、やはりバスがくる気配はない。
駅がある最寄りの街まで約30km。8月最初の日曜日は灼熱の中を独り歩くことに。
たまたま直前に劣駆動機構関連で受動歩行ロボットの文献を読んでいたので省エネ歩行を意識できたこと、加えて自由が丘で買ったムーンスターのかなり歩きやすいスニーカーを履いていたことで大した疲労を感じず歩けました。
みなさんもムーンスター履きましょう。感謝の気持ちを添えてURLを貼っておきます。
案外行けるじゃんと調子に乗っていたのもつかの間。後ろから犬の鳴き声が近づいてきます。田舎なので、セコムしても間に合わないので、どの家でも防犯用に番犬がいます。大抵は柵の中に居るので吠えられるだけで済みますが、なぜか柵の無い場所から犬が全力疾走で追いかけて来たのでした。いくら小さいとはいえ、噛まれると残りの15kmの徒歩に支障が出るし、医者とかも行くわけにはいかない。
。。。
全力疾走で犬から逃げる。
200mほど走ったところ、彼らは突然停止。ナワバリ意識があるのか知らんがとりあえず命拾いした。
帰るまでにもう一山あったので、残りは次回へ。
動物には気を付けましょう。
地中海放浪記① ープロローグー
はじめまして、Takomiです。
2023年の6月下旬から9月末までローマ留学に行ってきました。
コロナ前の2019年にイギリスへ行った以来、4年ぶりの海外渡航でテンションがMAXになり、留学中の休暇や留学後の帰路を使って主に地中海周辺の国々を旅行してきました。全て列記すると、スペイン・イタリア・チェコ・オーストリア・ルーマニア・サウジアラビア・ハンガリー・ジブラルタル・モロッコ・トルコを訪れました。*1
なぜこんなに沢山の国を訪れたかと言うと、所属大学と留学先の大学に協定が無いという理由でイタリアがビザを出してくれず、予定していた留学期間が中途半端に短くなってしまったからです。留学資金は4か月分手に入れていたので早く帰国するのはもったいないし、久しく海外に行けなかった反動からヨーロッパ近辺を放浪することになったのでした。
帰りに地中海周辺国を旅行して帰るということで、ヨーロッパとアジアの交点であるイスタンブールに拠点を持つトルコ航空を使って成田からローマにあるフィウミチーノ空港へ向かいました。トルコ航空は2度目で、2014年に関空からロシアへ行く時に搭乗したときはほぼ空席でした。今回も空いていることを期待していたところ、大満席かつテュルク系のガタイの良い賑やかな人たちに挟まれ、濃密な14時間を過ごすことに。
なんとかイスタンブールに到着したものの、イスタンブール空港からはトランジットの候補が深夜ローマ着しか無かったため、1泊した後、ボスポラス海峡を挟んでアジア側にあるザビハギョクチェン空港へ向かうことに。元気があったので少しだけ市内観光をしようと地下鉄を乗り継いでベシクタシュの方へ向かいました。
ベシクタシュに到着し、街を歩き始めるとそこら中から獣臭が。どうすれば野良でそんなに大きくなれるんだというような犬が当たり前のように徘徊していたのでした。本当に大きな犬は近づくのが怖すぎて写真を撮れず。
留学開始前に犬に咬まれるわけにはいかないので、観光は9月末のトルコ旅行に託し、タクシーに乗って空港近くのホテルへ逃げることに。宿泊したMy Palace Rooms Hotelは安い割にシャワーからお湯が出てシャンプーやトイレットペーパー、ティーパックもあるという素晴らしいホテルでした。
翌日朝の飛行機に乗る必要があったものの、大音量のアザーンのおかげで問題なく起床に成功。タクシーに多少ぼったくられつつも、ザビハギョクチェン空港に到着。トルコ航空傘下のLCCであるアナドルジェットに搭乗し、ローマに向かった。
ローマの空港に到着後、特急のレオナルドエクスプレスに乗ってテルミニ駅へ向かった。駅近くのホテルの1階にあるレストランで昼食をいただくことに。ローマ最初の食事では一体何を注文したのか。次回お楽しみに。
*1:観光を伴わないトランジットは除く